こんにちは。抜き加工.comを運営する、㈱福田工業 技術部のIです。抜き加工.comでは様々な材質のトムソン抜き加工を行うことに加えて、トムソン加工の弱点と言われてきた「精度が出ない」「ダレが発生する」「ショット数に限界がある」という通説を打ち砕くため、お客様のニーズにお応えしながら日々研鑽を重ねております。
ということで、今回は PP1.5mm厚 の連続抜き加工にチャレンジ!です。
PPの1.5mmといえばかなり硬い素材になります。トムソン加工の場合はどうしてもショット数に限界あるよね・・・という感じで、1.0mm厚ならまだしも、1.5mm厚なら100ショットくらいまでで後は刃がやられるんじゃないか?というのが・・・
これまでの通説
でした。こうした思い込みともいうべき通説を打ち砕くのがわたくし技術部 I の使命でございまして、諸条件を最適化した上で連続抜き加工にトライしてみました。その結果が下記になります。
①まずは1ショット目の断面図などをご覧ください。
当然ながら、とてもキレイに抜けています。断面を確認してもダレがありません。
触った感じ(写真では分からないと思いますが笑)はもちろんツルツルでございます。
②次は、一気に500ショット後の写真です。
全体写真では1ショット目との違いは分からないかと思います。断面を目視で見ると若干白化しているようにも見えますが、長年トムソン加工を行ってきた当社からすると、これは、ほとんどのお客様で「全く問題ない」レベルかと思います。
また断面図に関しても、さすがに1ショット目とは差がありますが、ダレなどは確認されません。触った感触でもツルツルのままです。まだまだいけそうなので、次は一気に1000ショットにトライ!
③1000ショット後のお姿はこちら。
これ、本当に1000ショットの写真!?と疑われてしまうかも知れませんが、本当です。
見た目も、断面図も、ほぼ1ショット目とも変わらないですね。右下の写真は色が分かるように焦点を合わせており、こんな感じで若干白いかな?という程度以外は触った感触もほぼ1ショット目と変わりませんでした。
④その後・・・
若干の白化が認められるだけで、1000ショットを超えた時点でもトムソンを使った抜き加工としては全く問題ないレベルだったので、正直、どこまでテストをしようか、悩みました。ということで、1100ショットまでやった結果がこちらです。
全く変わらない!!
PP1.5mm厚のトムソン抜き加工で、1000ショットを超える加工が問題なく出来るということは、すなわち、イニシャルコストが低く抑えられるということに繋がります。これまでの概念では、1000ショットなんて夢のまた夢、それって金型プレスの世界なんでしょ!?という感じでしたが、抜き加工.comを運営する福田工業の夢である「プレス加工並みの抜き加工をトムソン加工で実現する」という野望に、また一歩近づいたのでした。
当社では、トムソン加工における様々な課題に対して、各種加工条件を最適化することで、これまでのQCDにおける常識を覆す製品を世の中にお届けすべく日々研究に取り組んでおります。抜き加工のことでお困りならどんなことでも当社にお声掛けください。これまで抜いてきた材料・厚みは多岐に渡る上、すべての加工条件はデータベースにストックされていますので、抜き加工の可否判断、どのレベルまで対応が可能かなど、即座にお応えすることが可能です。