トムソン加工は、トムソン型と呼ばれる、木材をベースとした板に刃を埋め込んだ構造をしています。一般的には硬い素材を打ち抜くことはできず、紙やフィルムなどの打ち抜き加工に用いられます。しかし、トムソン型によるトムソン加工は、金型が使われるプレス加工と比較しても負けない強みがあります。特に抜き加工.comではトムソン加工で鋼板や樹脂まで打ち抜くことができます。
本記事では、トムソン型を用いた抜き加工(トムソン加工)を金型でのプレス抜き加工と比較してお伝えします。
トムソン型とプレス金型の比較
プレス抜き金型は金属を工作機械で加工して作ります。でトムソン型は木材をベースとした板に掘った溝に、刃を埋め込むことで作られます。ここでは、それぞれの方を比較し他メリットについて解説します。

金型でのプレス加工は、素材を高精度で加工することができます。特に金属板、プラスチックなどの硬い素材に適しています。金型は、自動車部品や電子機器の部品など、耐久性を必要とする製品の大量生産に用いられます。しかし、金型の製作には時間と費用がかかるため、マシニングセンタなどの大きな設備も金型製作には必要となります。初期投資は高くなります。また、一度製作した金型は長寿命であり、大量生産ではコスト効率が非常に高くなりますが、柔軟性には欠けます。
一方でトムソン加工も材料をプレスして打ち抜く加工です。トムソン加工に用いられるトムソン型はコイル状の1枚の刃を工作機械を設計通りに曲げ、ベース板に掘った溝に埋め込む形で製作します。そのため、プレス加工のための金型型と比較して製作費が安価で製作期間も短くなります。金型プレスと比較したトムソン加工のメリットについては、次章で詳細に説明いたします。
金型プレスと比較したトムソン加工のメリットとは
1.型の製作費が安い
トムソン型は、主に木材をベースとしており、安価な材料で製作できます。具体的には、シナノキやラワンといった木材が使用され、これに刃を埋め込むことで型が完成します。
また、トムソン型は製作に、金型ほどの大きな設備や工作機械を必要としません。設備や人件費も抑えることが可能です。金型の場合、精密な金属加工を行うために高度な技術と設備が必要となり、その分コストが上昇しますが、トムソン型ではその必要がありません。このシンプルな型の製作工程と安価な材料を使用することが、トムソン型の大きなコストメリットです。
2.短期間で製作可能
トムソン型が短期間で製作できるのは、その製作工程が非常に簡単なためです。金属を使用する金型では、精密な加工が必要となり、製作に数週間から1か月程度の時間がかかることが多いです。しかし、トムソン型では、木材に刃を埋め込むだけのシンプルな構造で済むため、通常1週間程度で型が完成します。
さらに、トムソン型は設計や加工の工数が少ないため、短期間での対応が可能です。CADデザインをもとに、木材やアクリル板に溝を掘り、そこに加工した刃をはめ込むだけで型が完成するため、金型に比べて製作の手間が少なく済みます。
3.多品種小ロットの加工に向いている
トムソン加工は、イニシャルコストが安く、さらに型の製作期間も短いことから、多品種小ロットの抜き加工に向いていると言えます。プレス抜き加工で金型を用いた製作を検討していたとしても、トムソン型を用いれば、金型製作を必要とせず、短納期で製作することができます。また、試作などにも向いており、試作に求められる柔軟性にこたえることができます。試作段階や小ロットの場合ではトムソン加工で製作することで、低コスト・短納期で製作可能です。
トムソン加工での硬い素材の抜き加工事例をご紹介!
アルミ 抜き加工品 0.2mm

0.2mm厚のアルミ抜き加工品は、その薄さから材料が伸びやすく、変形しやすい特性を有しています。このような特性を持つ材料の加工では、プレス時の圧力や刃の高さの調整が非常に重要となります。
当社は、薄い材料を加工する際には通常よりも控えめに力を加えるようにしております。これにより、材料の伸びや変形を最小限に抑えることが可能です。
PVC(ポリ塩化ビニル)2㎜厚 抜き加工品

こちらはPVC(ポリ塩化ビニル)で作られた化粧品展示のディスプレイ用の抜き加工品です。実際は折り曲げて使われます。PVCは粘り気があり、割れにくいですが、硬い素材であり、厚さも2㎜と厚い板材の加工でした。
この製品の加工のポイントはきれいにせん断できていること。はめ込むための溝を作っていること。厚くてかたい素材を狭く抜くことができていることです。
抜き加工だけでなく、絶妙な力で押しつぶすことで段差・スリットをつけていることも作成のポイントです。
硬い素材のため、刃・型の耐久性も考慮する必要がございますが、10000ショットは端面がきれいな状態で加工することが可能です。
檜(ひのき)抜き加工品

この抜き加工品は、檜(ひのき)をトムソン刃を使って加工したものです。お客様からはできるだけバリを少なくして綺麗に抜いて欲しいという要望がありました。しかし、木材は木目がありますので普通に抜き加工を行うとバリが発生することに加え、材質そのものを刃で押しつぶしてしまう可能性がありました。
そこで当社は、切れ味の鋭い刃を採用した上で、材料に過度な応力が集中しないように工夫し、抜き加工を行いました。
当社はトムソン型で硬い鋼板まで打ち抜きます!
トムソン加工に取り組んできた抜き加工.comが手掛けてきた材質は462種類ございます。その中には、一般的にはトムソン加工が苦手とされる鋼板などの金属や強化プラスチックといった硬い樹脂も含まれています。トムソン加工は、紙やゴムなどやわらかい素材向けの加工技術と思われがちですが、技術開発に取り組んできた当社では鋼板なども加工することが可能です。
試作、小ロットはもちろん量産対応も承っておりますので、お気軽にご相談ください。