2025/01/05

トムソン型の製作工程と業界ごとの型の違いについて

技術者イメージ

トムソン加工の型の特徴・構造

トムソン型は、主に刃物とベース合板で構成されています。ベースとなる合板に刃を埋め込む構造となっています。ベース合板の素材には、加工性に富んだシナノキや、接着性が良好なマカンバ、保存性の高いラワンなどが使われます。また木材以外にも、アクリル板がベース板となる場合もあります。

刃はコイル状になっているものを、工作機をもちいて円形や直線、複雑な曲線など、製品の形に成形します。この刃をベース板に事前に刻まれた溝にはめ込むことでトムソン型が完成します。トムソン型は型の製作に時間がかからないため、特に短納期や少ロット生産に適しています。

 

トムソン型の製作行程

型は大きく6つの工程を経て作られます。

① CADで図面形状のデータ入力

CADソフトウェアを使用して、型の図面データを作成します。CADデータがずれていると寸法通りの抜き加工・製作ができません。まずは製品や、図面データの精密な寸法や形状が求められるため、注意深く設計を行います。

② ベース版に溝を掘る

次に、ベース版にレーザーで溝を掘ります。この溝は、後に刃をはめ込むためのもので、正確な位置と深さが重要です。ミスがあると、型全体の精度に影響を及ぼします。

③ 溝を掘ったベース版の仕上げ

溝を掘った後、ベース版の仕上げを行います。ここでは、面取りや表面の平滑化を行い、刃がスムーズに取り付けられるようにします。この工程が型の寿命にも影響します。

④ 刃の選定

次に、刃の加工を行います。製品材質と特徴や厚みに合わせて、適切な刃を選定します。必要に応じて切削や研磨を行い、必要な鋭さを持たせます。刃の品質は、トムソン加工の結果に直結するため、丁寧に行うことが求められます。

⑤ 刃の加工

続いて刃を工作機械を用いて、刃を型の形状に加工します。刃はコイル状になっており、パーツごとに曲げ加工、切断を行いベース板にはめ込む形に変形していきます。細かい調整が必要な部分は、手作業で微調整を行います。

1枚の刃をつなぎ合わせて作成するので、刃につなぎ目が存在してしまいます。この部分にどうしても段差が生じてしまいます。この段差をいかに小さくするのか、製品への影響を少なく加工するのかも型の成形上のポイントです。

⑥ 刃をベース版にはめる(刃入れ)
最後に、加工した刃をベース版にはめ込みます。金槌を使って、成形した刃を溝に埋め込んでいきます。

>>>トムソン加工とは?

 

 

業界ごとのトムソン型の違いとは

トムソン加工は主に印刷・紙業の企業、もしくは当社のようなものづくり企業にて用いられています。しかし、それぞれのトムソン加工およびトムソン型には大きな違いがあります。

・印刷業・紙業で用いる、薄物向けトムソン型

印刷業や紙業で紙や薄い厚紙のトムソン加工を行っています。大量の紙をトムソンにて成形する必要があるため、高速な量産に耐えられる耐久性がトムソン型に求められます。
この場合、トムソン型に刃先が丸まっており、「押し切る」ように切断していきます。打ち抜き時の刃への負担が減るため、刃の耐久性が高く、長持ちします。

・厚いもの、硬いものを抜くためのトムソン型

一方、ものづくり企業では紙のほかにもゴム、スポンジ、樹脂フィルムなどをガスケット、パッキン、シムなどの製品に加工をします。そのため、トムソン型も、より硬く鋭い刃を用いて、紙以外の素材や紙よりも厚い素材を抜くためにものづくり企業においても一般的には固く厚いものを抜くことができません。またトムソン加工は高精度が求められないような製品を加工することが多いです。

 

 

当社のトムソン加工の特徴とは?

トムソン型において、当社では他社にはない以下の2つの強みがあります。

1. 硬い鋼板でも高精度に加工可能です

当社では、鋼板や厚みのある素材のトムソン加工が可能です。一般的なトムソン型は紙や薄い素材の加工が主流ですが、当社は素材に対して適切な刃を選定し活用することで、硬い素材でも正確に打ち抜くことができます。
ゴムシートやスポンジなど、やわらかい素材はもちろんのこと、鋼板や樹脂のような素材においても、安定した精度と加工効率を実現しています。

 

2. 製品の図面からでも精度よく製作いたします

当社では、従来より、車業界向けに、ガスケット、パッキンなどの製品を納入させていただいております。このような製品は型の寸法が決まっております。しかし、サイトからお問い合わせいただくお客様からは製品の図面でご依頼をいただくような場合が多くあります。

型の寸法と製品の寸法は必ずしも一致しません。したがって、製品の寸法となるように計算して型を作らなければなりません。

この場合、製品ごとに求められる形状や寸法、公差を踏まえた上で、最適な型の設計製造を行う必要がございます。しかし、当社では実績が豊富にあるため、製品の図面から公差などを適切に計算し、型を設計。図面通りに高精度に製品製造が可能です。

 

 

製品事例をご紹介!

 

 銅0.5mm厚 抜き加工品

この抜き加工品は、銅0.5mm厚をトムソンを使って抜いたものです。通常、こうした金属系の材質をトムソン加工で抜く場合、0.3mm程度までが限界とされていますが、当社は独自の工法を編み出したことで、0.5mm厚までの抜き加工が可能となりました。

>>>銅0.5mm厚 抜き加工品の詳細はこちら!

 

 厚紙抜き加工品(t=4.0mm)

 厚紙抜き加工品(t=4.0mm)
この厚紙抜き加工品は、当社のトムソン(ビク抜き)加工にて抜き加工を行った、実際にお客様からご依頼のあった製品です。御支給頂いた厚紙(厚さ4.0mm)を用いて、φ280の形状抜きとφ20とφ2の穴加工を同時に行っています。トムソン加工(ビク抜き)は素材が厚ければ厚いほど、また抜き加工を行う穴が小さければ小さいほど難易度が高くなりますが、、、

>>>厚紙抜き加工品(t=4.0mm)の詳細はこちら!

 クロス(布、抜き加工品)

 クロス(布、抜き加工品)

お客様よりクロスの製作依頼をいただきました。クロスの直線部から角部にかけて、波の間隔を等間隔に取って欲しいとのご要望でした。しかし、角部で波形状を崩さずに加工するのは非常に難しいです。これは、角部では波形状をつける際に抜く位置が少しでもズレたり、抜く力が少しでも強いと、波形状が崩れてしまうためです。

>>>クロス(布、抜き加工品)の詳細はこちら!

 

硬いもの・高精度なトムソン加工は当社にお任せください!

当社では硬い鋼板や厚い素材も打ち抜く技術を有しています。硬い素材のトムソン加工、高精度なトムソン加工が可能なのは、高い型の作成技術を持つことが理由の一つです。抜き加工、トムソン加工による製品製造に関するご相談は、ぜひ当社にお問い合わせください。

>>>お問い合わせはこちら