2024/10/08

なぜ厚紙・合紙をトムソン加工で高精度に抜けるのか

技術者イメージ

厚紙や合紙をトムソン加工する場合、精度よく仕上げるのは容易ではありません。なぜなら厚紙や合紙は厚みがあり、反発力が強いため、美しく加工するには豊富な経験とノウハウが求められるためです。本コラムでは、厚紙・合紙のトムソン加工が難しい理由を解説します。また、当社の加工事例を通じて、実際にどのような工夫をして精度の高い製品を作り上げているのかご紹介いたします。

 

トムソン加工とは

トムソン加工は、合板に埋め込んだ刃を使用した型(トムソン型)を用いて、材料をプレスして打ち抜く加工方法です。
この加工方法の大きな特徴は、型の製作費が比較的安価で、金型を用いたプレス抜き加工に比べてイニシャルコストが低く抑えられる点です。そのため、試作品や小ロット品の加工に適しており、トライアンドエラーを繰り返しながら型の改良を行うことができます。また、型の製作期間も短く、短納期での対応が可能です。

上記のようなメリットがあるトムソン加工ですが、厚紙や合紙のような素材を加工する際は、問題が生じます。次の章では、これらの素材に対するトムソン加工の難しさについて、具体的に解説していきます。

>>トムソン加工とは

 

厚紙・合紙のトムソン加工の課題と当社の取り組み

 

厚紙や合紙のトムソン加工には、複数の課題があります。なぜ抜き加工. comでは、厚紙や合紙も歪むことなく、精度よくトムソン加工することができるのか。当社では精度の良いトムソン加工で皆様の声にこたえるために試行錯誤をしてきました。

ここでは、厚紙・合紙をトムソン加工するときの課題と、ダレのない製品製作のために当社が取り組んでいることをお伝えします。

 

厚紙の反発力と硬さ

一般的に、紙のトムソン加工は丸い刃先の刃にて押しつぶして切るように加工をします。そのため、薄い紙を連続加工することに適しています。しかし、このような刃、および紙向けのトムソン加工機では、刃の切れ味も機械のパワーも足りず、厚紙・合紙を抜くことは困難です。

当社では反発力があり、硬い厚紙をトムソン加工で抜くために、鋭角な刃を用いて加工を行います。刃がしっかりと入るので、通常の紙と比較して、硬い厚紙でもせん断することができます。

 

合紙の積層構造

合紙は複数の紙を接着剤で貼り合わせた層状の構造をしています。そのためトムソン加工で抜いた時の摩擦で剥離してしまうことが加工時の課題です。合紙でも刃が入るところまでは、問題ありません。刃を抜くときに層状となっている紙が摩擦によって剥離してしまいます。

当社では特殊な刃を用いることで、摩擦による剥離を防ぎます。

 

刃と紙の摩擦による紙粉・ヒゲの発生

トムソン加工では、刃が紙を押し切る際に紙の繊維が引っ張られます。摩擦が大きくなると紙粉やヒゲ(細かい紙の切れ端)が発生してしまいます。製品の見た目を損ねるだけでなく、品質に影響を及ぼすため、紙粉・ひげの発生を抑える必要があります。

紙粉・ひげの発生を抑えるためには、合紙と同様に特殊な刃を用いる必要があります。紙の繊維方向(紙目)を考慮することも必要です。

 

加工圧力の管理の難しさ

素材の厚みや硬さに応じて、適切な圧力設定を行う必要があります。圧力が強すぎると紙が潰れて変形する恐れがあります。一方で、弱すぎると切断が不十分になります。厚紙がゆがまない圧力でしっかり切断するために圧力の調整が求められます。

 

厚紙・合紙の当社の加工事例をご紹介

当社では、多様な厚紙・合紙をトムソン加工で高精度に仕上げてきた実績がございます。実際の加工事例をご紹介します。

 

厚紙(合紙)抜き加工品

厚紙(合紙)抜き加工

この合紙の抜き加工品は、従来は紙で加工されておりましたが、厚紙で製作したいとのご要望をうけました。

厚紙は厚さ2mmとなっており、2層の構造となっていたため、加工の際に紙同士が剥離してしまう懸念点がございました。

そのため当社では、従来の抜き加工よりもさらに高精度に仕上がるように加工方法を最適化し写真のような美しい断面に仕上げました。

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紙パッキン

紙パッキン 厚紙

この紙パッキン(厚紙、2mm厚)は、当社がトムソン加工を行ったものです。厚紙の抜き加工の場合、おおよそ1mm厚程度であれば問題なく加工できますが、今回の紙パッキンは2mm厚なので、通常の跳ね出しでは製品が詰まり連続加工が難しくなります。

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厚紙 抜き加工品(φ2、R0.5)

この厚紙抜き加工サンプルは、トムソン抜き加工における難易度の高いあらゆる要素を盛り込んだものです。抜き加工に使用する刃は基本的に細かい形状の加工を実現することは難しいのですが、このサンプルでは厚紙t=1.35mmという非常に硬い材質でありながらもφ2、R0.5、スリット穴幅:2.5mm、薄肉部幅:1.5mmという加工を実現しております。

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 厚紙ケース(抜き加工品)

このチップボールの抜き加工品は、従来プラスチックで製作していたある製品のケースを、エコな厚紙で製作したいとのご要望を受け、チップボールを高精度に抜き重ね合わせてケースにしたものです。デザイン重視の高級品であることから、チップボールを重ね合わせた時に端面がストレートに段差なく、かつバリを少なく仕上げる必要があります。そのため当社では、従来の抜き加工よりもさらに高精度に仕上がるよう刃と加工方法を最適化し写真のような美しい製品に仕上げました。

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チップボール 抜き加工品(t=2.7mm)

このワッシャー形状のチップボールは、厚みが2.7mmあります。通常であれば、硬く厚みもあるチップボールは抜き加工するだけでも抜けないものです。さらにこれは内径が3.5mmと小さいので連続抜き加工となれば困難を極めます。そこで当社では、型を最適化することで連続打ち抜きを可能とし、、生産性を大きく向上させることができました。

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厚紙や合紙の抜き加工は当社にお任せください

抜き加工 .comを運営する福田工業では、厚紙や合紙の抜き加工において、これまで積み重ねてきた加工ノウハウをもとに他社では実現が難しい形状や高精度な仕上がりを提供します。製品に合わせた刃や加工方法を選定し、バリ・ダレ・テーパーを抑制する技術を活用。跳ね出しゴムの最適化で打痕を防ぎ、美観が求められる製品にも対応可能です。抜き加工でお困りでしたら、ぜひ当社にご相談ください。

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