2021/03/16 形状・バリ/ダレ改善

【さらに改善】抜き加工断面をストレートに

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こんにちは。トムソンによる抜き加工技術を追求する、株式会社福田工業 技術部のiです。

トムソン加工におけるこれまでの課題としては、抜き断面がどうしてもテーパーになってしまい、ストレートにならない、ということが通説でした。当社でもこれまでテーパー改善に向けてトライを行い、過去にも情報発信を行って参りました(当時のブログはこちら)が、今回、さらにテーパーが改善され、かつ小ロットではなくある程度大きなロットまで耐えうるような技術開発を行いましたので、ここでご紹介させて頂きます。

 

まず下記の写真をご覧ください。これは、DKスノーと呼ばれる材質で、厚さが2.0mmのものです。普通に抜き加工を行うと、こんな感じになります。

 

テーパーもさながら、抜き加工の出口部分(この写真で言うと左側)は盛り上がっているように見えます。これでは、シビアな条件を要求されるお客様には、とても製品としてお届けできません。

 

そこで、抜き加工.comを運営する福田工業が開発した、独自のノウハウによって抜いたDKスノーの抜き断面図は、こちらです。

 

 

我ながら、とても美しい断面・・・ちなみに、これは抜いただけのもので、追加工などは一切行っていません(毛羽だっているのはDKスノーが厚紙に近い材質であることが原因ですので、抜き加工品質とは関係ないものです。)

どうやって抜いたの?と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、これはさすがに企業秘密ですのでここでの説明は差し控えさえて頂きますが、いずれにせよ、この技術の確立で、当社の抜き加工における対応材質の範囲・厚さ・精度・テーパー・ダレなどの課題がかなりの部分で解決できる見込みが立ちました。。

 

これまでの常識は、

「トムソンを使って抜き加工なんて、安いし、まぁこんなもんだろう」

というものだったと思いますが、福田工業はこれを乗り越え、ほぼ金型を使ったプレス加工レベルまで技術を研ぎ澄ませています。

さきほどは断面部の拡大写真でしたが、製品写真としてはこんな感じになります。

 

抜き断面がストレートで美しい・・・

 

このほか、トムソンによる抜き加工はまだまだ解決すべき課題がたくさんあるのですが、福田工業で解決し皆様にご紹介できるようになりましたら、またここでお伝えしたいと思います。

 

P.S.以前公開しているテーパー形状の改善事例、今見るとちょっと恥ずかしい・・・ですが、これも福田工業の技術進歩の足跡ということで、公開したままにしておこうと思います。

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